#002
革命の味がする。
「雨降 山廃仕込 純米酒」  

マリア BY 酒×音×笑

#002で取り上げる日本酒を醸すのは神奈川県伊勢原市“吉川醸造(https://kikkawa-jozo.com)”。

異常な精米歩合と異常な甘味、の雨降(あふり)山廃仕込 純米酒です!2021年飲んだ日本酒の中で最も衝撃お受けた日本酒です。

雨降 山廃仕込 純米酒 スペック一覧

原料米精米歩合酵母仕込み水日本酒度酸度アミノ酸度ALC
岡山県産雄町100%90%きょうかいKArg701号雨降山(丹沢大山)地下水-302.73.014

革命の味がする

甘口といえば甘口だけど全く飲み飽きしないキレイな甘さ。
90%でなぜこんなに綺麗な酒を作れるんだ⁉︎
衝撃的なこの味….美味すぎる….

完成された低精白酒

最近、低精白の日本酒にハマり、比較的多くの低精白酒を飲んできました。
新政、WAKAZE、永山本家、仁井田本家、結城酒造、晴山吉三郎それから土田酒造などなど….

さまざま飲んだ中でここまで酸味・苦味のバランスが調った酒はなかったです。

この甘さの秘密(仮説)

これはコーヒーの話ですが、近所にとんでもないコーヒーを出す店があります。ブラックコーヒーしか出していないコーヒー専門店なのですが、そこのコーヒーはミルキーで甘い。砂糖・ミルクを一切入れていないのに明確な甘みを感じます。

店主によると焙煎時に「苦味と酸味のバランスを完璧な状態に仕上げれば、それを凌駕する突出した甘味を出すことができる。」らしいです。
コーヒーを出す者としてのキャリアは数十年にわたるベテラン店主ですが、未だにそれを完璧にコントロールすることはできないと語っていました。

この雨降は多分この理論で甘みを感じます。

故に甘さをクドく感じない。

糖分の甘さではなく酸味、苦味のバランスが完璧な状態でできた日本酒だからこその甘みをこの雨降は実現しています。感服、感想はこれしかでない….

こんな日本酒、いままでありませんでした。
まさに「革命の味がする」。

雨降×音楽「Afuri (SALU)」

雨降に合わせた一曲はHIP HOPアーティストのSALUさんのAfuriです。

吉川醸造と同じ雨降山を歌った一曲

生まれは北海道ですが、現在、神奈川県厚木市在住です。本格的にラップを始めたのが厚木市に住み始めた頃だったため、この地を地元のようにレペゼンとしています。

その想いの詰め込まれた曲がこのAfuriです。

歌詞にこうあります。

  • 「首都高から東名を抜け しばらく走ると見えてくるあの看板とメインタワー」
  • 「橙色 赤 イエロー 染まってく大山」
  • 「夏は花火が上がる相模川」
  • 「今夜の天気を当てようか ほら見てみな AFURI山にまた雲がかかる」

酒の雨降からも、曲のAFURIからもいかに地元の人たちにとって大切にされている、想われている偉大な山だと言うことがわかる。

僕の時系列を辿る

僕のこの日本酒と楽曲を知った時系列を辿り整理すると

SALUのAfuriを知る → 吉川醸造の雨降を知る

となります。

Afuriを知った当初はまだHIP HOPを聞き始めたばかりというのもありレペゼンという概念すら全く理解していなかったので「この曲名ってなんのこと??」とずっと疑問に思っていたし、調べようがありませんでした。

この酒を飲み、存在・由来を知った瞬間に脳内で点と点が一気に繋がり思わずガンフィンガーをしてしまっていました….

同じ雨降山・神奈川県に対する愛情を持った日本酒とラッパー。
HIP HOP界で存在感を放つSALUと、これから日本酒界に革命を起こすであろう雨降。

少々強引ではあるかもしれないがベストマッチペアリングだと思います。

雨降×お笑い「厚切りジェイソン」

!!! Why kikkawa jozo !!!

雨降を飲んで連想された曲が「Afuri」だったこともあり、連想されるネタはどうしても雨降山周辺にゆかりののある芸人にしたいと思い。
何故、こんな酒を醸すことができるのか、そんな想いも込めて神奈川県厚木市在住の厚切りジェイソンさんを選んびました。

笑いの熟成

これを機に久しぶりに厚切りジェイソンのネタを見返しました。

結果、また日本酒とお笑いの共通点を見つけました。

「熟成酒があるように熟成された笑いがある」

例えば昔ハマっていたネタを数年越しに久しぶりに見返したらおもしろいがあの頃とまた違った面白さがあるように感じられます。

お笑い界だと一発屋と言われる人たちがわかりやすい例です。

ダンディ坂野のゲッツ、ジョイマンのラップネタ、そしてオードリー春日のトゥース。
当初はその衝撃・新鮮さによってブームとなりますが、いずれもブームは去ります。

ですが、例に挙げた3人はブームが去ろうがそのネタ、フレーズをやり続けました。

そのネタを大切にかつ、真剣に。

その結果、ネタとネタの繋ぎであったはずの「ゲッツ」はそのものが主役のネタになりました。
ジョイマンのラップネタはゴッドタンのネタギリッシュナイトで新たな新境地に達しました。
一時は「こいつまだやってんのかよ」と思われていたトゥースは10年の時を経てその一言を発するだけで笑いが巻き起こるまでになった。

「熟成された笑い」

熟成することで元々とは違った味わいのネタに進化します。

雨降を飲み、久しぶりに見た厚切りさんは僕の中で彼のネタに対する思いが熟成され、深みのあるネタに感じ取れました。

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